ヴェネツィア・グラスの思い出
17年前のイタリア訪問で、ヴェネツィアに行ったら、食器が好きな母への贈り物にヴェネツィアグラスの花瓶を買おうと決めていた。ヴェネツィアを発つ日の朝、開店と同時にある老舗に入り迷わず気に入ったものを購入した。その半年後、クリスマス休暇にパリからヴェネツィアを訪れ、また母に同じ店で同じ花瓶の色違いを買おうと再訪したら、店員の若い女性に「あなたは半年前に来ましたね、あれは土曜日の朝でした」と言われ、彼女の驚異的な記憶力に絶句した。季節も服装も髪型も全然違うのに。この人は接客業の鏡だと思った。今も会社経営の手本と思っている。私が再訪者のことをフルネームで記憶し、前回購入したもの、その色と柄、交わした会話の内容を覚えていると、写真的記憶力と驚かれるのだが、ヴェネツィアの彼女にはかなわないと、いつも心の中で思う。
(画像はスティベルト美術館の装飾窓)
ATELIERGK FIRENZE
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