Author: ATELIERGK FIRENZE

SAN MINIATO AL MONTE – PROLOGUE

サン・ミニアート・アル・モンテ まえおき

フィレンツェにあるステンドグラス作品で、個人的に最も美しいと思うのは、サン・ミニアート・アル・モンテ墓地にある、某貴族の礼拝堂のステンドグラス。残念ながら一般公開はしていないが、不思議な縁あって15年前、礼拝堂内のステンドグラスを鑑賞する機会に恵まれた。

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(画像はサン・ミニアート・アル・モンテ教会ファサード)

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CATHEDRAL GLASS

ステンドグラスの思い出

17年前の旅ではイタリア5都市に加え、パリ、バーゼル、チューリヒ、ローザンヌ、ジュネーヴも訪れた。特に印象に残っているのが、スタイルが対照的な、パリのサント・シャペルのステンドグラスと、チューリヒ大聖堂のシャガールのステンドグラス。初夏の太陽光が差し込む環境で見た両作品は、どちらも息をのむ美しさだった。自分がミニチュア人形になって宝石箱の中にいるようだった。パリのシャガール作品ではオペラ・ガルニエの天井画が有名だが、ステンドグラスは初めて見た。構図が固いステンドグラスの印象を覆す、柔らかさ、軽快感、透明感、見事な色のグラデーションで、平面ガラスでこんな表現ができるなんて神業と思った。

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(画像はスティベルト美術館の装飾窓)

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VENETIAN GLASS

ヴェネツィア・グラスの思い出

17年前のイタリア訪問で、ヴェネツィアに行ったら、食器が好きな母への贈り物にヴェネツィアグラスの花瓶を買おうと決めていた。ヴェネツィアを発つ日の朝、開店と同時にある老舗に入り迷わず気に入ったものを購入した。その半年後、クリスマス休暇にパリからヴェネツィアを訪れ、また母に同じ店で同じ花瓶の色違いを買おうと再訪したら、店員の若い女性に「あなたは半年前に来ましたね、あれは土曜日の朝でした」と言われ、彼女の驚異的な記憶力に絶句した。季節も服装も髪型も全然違うのに。この人は接客業の鏡だと思った。今も会社経営の手本と思っている。私が再訪者のことをフルネームで記憶し、前回購入したもの、その色と柄、交わした会話の内容を覚えていると、写真的記憶力と驚かれるのだが、ヴェネツィアの彼女にはかなわないと、いつも心の中で思う。

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(画像はスティベルト美術館の装飾窓)

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ARTISTIC INSPIRATION – FRESCO

フレスコ画の思い出

初めてのイタリア旅行でパドヴァを訪れたのは、尊敬する人に「芸術的職業を目指すならパドヴァのスクロヴェンニ礼拝堂のジョットのフレスコ画だけは見てくるように、強く感じるものがあったら、厳しい芸術の世界でやっていくことができるかも知れない」と言われたため。長い修復が終わり、一般公開が再開して間もなかった。礼拝堂に足を踏み入れ天を仰いだ瞬間、雷鳴に打たれたような衝撃を受けた。ジョットが天空を表現するのに用いた青色の美しさは、万語を費やしても足りない。こんなに美しいものがこの世に存在すること、芸術作品が7世紀を経て今も尚、人々に感動を与えてやまないことに、体中に電気が走るような感覚を覚えたのを、今も記憶している。自分は美術品修復家になると心に決めた、思い出の場所である。

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(画像はサン・サルヴィ教会アンドレア・デル・サルト作『最後の晩餐』部分)

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ARTISTIC INSPIRATION – MOSAIC

モザイクの思い出

17年前、初めてイタリアを訪れた。列車でパリからバーゼル経由でミラノ入りした。当初の予定はミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェだった。出発前に東京の親友が、自分はグラフィックデザイナーにならなかったらラヴェンナでモザイク職人になりたかった、と言うので、ラヴェンナ(サン・ヴィターレをはじめとるする教会のモザイク)と、別の人に勧められたパドヴァ(ジョットのフレスコ画で名高いスクロヴェンニ礼拝堂)を加えた。最低限の予備知識だけで訪れたが、蓋を開けてみれば、その旅で最も感銘を受けたのは、パドヴァとラヴェンナだった。ラヴェンナで教会の監視員が「この十字架のモザイクが真東を向いているのは、ジェルサレムの方角だからだよ」と教えてくれた。イタリアの教会の大部分、特に大聖堂は、本堂祭壇が真東を向き、それを中心に碁盤状に道路が張り巡らされている。それを念頭に、いつもドゥオモの向きを目印にすると、祭壇とファサードの位置関係が羅針盤の東西に重なり、離れた場所からでも東西南北が即座に分かり道に迷わない、ということを学んだ。

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(画像はスティベルト美術館所蔵モザイク作品)

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ARTISTIC INSPIRATION

Excellent craftsmanship.

Master of Mosaic “FRATELLI TRAVERSARI”, Florence, Italy.

https://artemest.com/artisans/traversari-mosaici

フィレンツェ・モザイク

スカリオーラとモザイクは似ているがテクニックが異なると述べたが、モザイクもフィレンツェの重要な伝統芸術である。昨年の職人展で知己を得た、フィレンツェ・モザイクの老舗フラテッリ・トラヴェルサーリ社を紹介する。画像では3種類のモザイク技法を見ることができる。①はめ込み式(フィレンツェ・モザイクと呼ばれる)、②サイコロ状に砕いた石を組み合わせる方法(ラヴェンナの教会、フィレンツェではサン・ジョヴァンニ洗礼堂やサン・ミニアート・アル・モンテ教会の天井に見られる)、③細い棒ガラスを無数に組み合わせる方法(ミクロ・モザイクと呼ばれる)。

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(画像はスティベルト美術館所蔵モザイク作品)

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NOTEBOOK MADE IN JAPAN

日本製の美しいノート

三菱一号館美術館にて9月24日(日)まで開催中の『レオナルドXミケランジェロ展』http://mimt.jp/

ミュージアム・ショップのオリジナル・ノートをいただいた。フィレンツェのプリント紙を表紙に使用した日本製の上質ノート。見返しの色のコントラストがとても美しい。和服の色合わせに通じる繊細さを感じる。柔らかい風合い、丸角、適度な細長さと分厚さで、手に取ると心地良い質感。さすが日本製。

Special thanks to East Inc. http://east-inc.co.jp/main/

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AMARANTO

アマラント

アトリエのシンボル・カラーに「アマラント」という深い濃紅色を選んだのには、単に私たちが好きな色というだけでなく、明確な理由がある。アマラントの語源は、ギリシア語で「不朽」「不変」を意味する「アマラントス」。自然界にも深紅の花を咲かせる同名の常緑植物が存在し、常緑であることからギリシア神話で「不死」「永遠」のシンボルとされる。「伝統を守りつつ、自分たちのアイデンティティを反映した新しいスタイルを開拓し、後世に受け継がれる質の高い芸術作品を残す」という私たちの信念に一致し、そのメッセージがこめられている。

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LE ROUGE ET LE NOIR

赤と黒

スタンダールの小説では、赤が軍服、血、激情、黒が僧服、死、苦悩の象徴だったと記憶する。話が飛躍するが、日本でアトリエの作品を扱っていただいている会社の方との意見交換で、赤と黒の組み合わせの革小物の人気が高い、欧州の貴族的イメージと高級感があるからかも知れない、という話があった。日本人は青、紺、藍色が好きな人が多いと思っていたので意外だった。赤と黒は、モンブランやカルティエなど欧州を彷彿しながら、漆器の色でもあり、日本の冠婚葬祭と切り離せない伝統色であるため、日本でも好まれるのかも知れない。アトリエのシンボル・カラーも「アマラント」という濃紅色である。

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“SCAGLIOLA BOX” EPILOGUE

海と青

海だから青なんて芸がないと書いた矢先、米国のデパートの人がアトリエに来た。海関係のモチーフのインテリア・オブジェは大変人気があり、よく売れるそうだ。私もパートナーも、海より高原・湖派、色は青系より赤系が好きなので、少数派嗜好ということになる。しかし特別注文では、私たちの個人的趣味に一切関係なく、顧客の希望通り制作する。海シリーズは、自主的には選ばない制作テーマなので、新しいことに挑戦する良い機会となりそうだ。

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