artists and artisans

STIBBERT MUSEUM

スティベルト美術館・スペインの技法

贅沢な悩みだが、フィレンツェで暮らしていると、時々ルネサンス以外の作品を見たくなる。身の回りに少ない様式は新鮮に感じられ、より刺激を受ける。以前から注目している技術に、16世紀から伝わるスペインの革装飾がある。植物の連続模様を施したA3程の大きさの革を縫ってつないで部屋の壁や扉を覆っていた。壁紙ならぬ壁革。重厚な印象で現代の室内装飾には適さないが、自分流にアレンジして美術製本やインテリアオブジェに応用したいと思っている。アールヌヴォー、アールデコ、幾何学模様、和の要素を入れたり、植物柄でも軽快な色調にすると、モダンで独創的な作品になる気がする。

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STIBBERT MUSEUM

スティベルト美術館・箱

空の箱は何に使うのか?何を入れるのか?と想像力のない質問をする人が多い昨今、私たちはそれでもくじけずに様々な素材、構造、機能の箱を制作し提案し続けている。日常品を収納・保管し、室内装飾の役目も果たす、インテリアオブジェとしての箱。革張りの箱は、ルネサンスの頃から存在する。ルネサンス期に、革は製本だけでなく箱制作にも使われ始めた。金庫、書類箱、書斎用具箱、宝石箱、衣装箱、化粧箱、食器箱、銀器箱など、挙げればきりがない。スティベルト美術館でも、世界各国の芸を凝らした美しい箱の数々を堪能できる。

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STIBBERT MUSEUM

スティベルト美術館

フィレンツェでいちばん好きな美術館と言えば迷わず、スティベルト美術館。中心から少し離れた街の北側の高台にある。西洋・東洋の膨大な武器コレクションで有名だが、実は私は武器類は血生臭くてあまり好きではない。それでも尚、フィレンツェで最も美しい美術館と訪れる度に思う理由は、19世紀にフレデリック・スティベルトが世界中の一流の職人に特注で作らせた家具、食器、絵画、調度品の数々、室内装飾の素晴らしさ。屋敷全体がインスピレーションの泉だ。彼のような、文芸を擁護する富裕インテリ(文化教養と財力の両要素が不可欠)がいないと、優れた芸術は後世に残らない、ということを感じる空間だ。

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ARTISTIC INSPIRATION

Art déco

書籍修復の補足1・アールデコ

建築家だった父の影響で昔から建築に興味がある。私の関心の中心は建築の歴史や様式の特徴についてで、ネオクラシック、ネオゴシック、アールヌヴォー、アールデコ建築が特に好きだ。欧州各地の歴史建造物を訪れると、昔の設計図が展示されているのに出会い、手描きでありながら完璧で一寸のミスもない、神業と見紛うほど美しい設計図の数々にはっと息をのみ、何時間も飽きずに見入った経験が何度もある。建造物はもとより、設計図そのものが優れた芸術作品だ。機械もコンピューターもない時代の人々の能力の高さと仕事の正確さに、人間が失ってしまった豊かさについて考えさせられる。

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photo: “36 PROGETTI DI VILLE DI ARCHITETTI ITALIANI – a cura dell’Esposizione Triennale Internazionale delle Arti Decorative Industriali Moderne alla Villa Reale di Monza”, Casa Editrice d’Arte Bestetti e Tumminelli, Milano – Roma, 1930.

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RECENT WORK

BOOK CONSERVATION AND RESTORATION

“36 PROGETTI DI VILLE DI ARCHITETTI ITALIANI – a cura dell’Esposizione Triennale

Internazionale delle Arti Decorative Industriali Moderne alla Villa Reale di Monza”,

Casa Editrice d’Arte Bestetti e Tumminelli, Milano – Roma, 1930. Private collection.

Before treatment.

書籍修復・修復前。

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RECENT WORK

総革ファイルのオーダーメイドの補足2

仔牛革、マーブル紙、紙、厚紙、真鍮金具、金箔、糸に加え、見えない部分に、製本用布、修復用裏打ち布、和紙を使用していることに注目してほしい。見えない部分に手間と材料を加えることで、耐久性をより高める。今すぐ結果は出ない。長い目で見た時、著しい差が出る。更に、革の艶出し、縁取り仕上げ、活版活字の箔押しにもこだわっている。革作品で仕上げ2工程を省くと、緊張感がなく未完成な印象になる。3文字以上の活版活字箔押しでは、単に文字だけ並べるとバランスが悪く雑な印象になるため、文字間隔を微妙に調整している。HIMNとCGOQとFLPTとAVWでは挿入間隔を変えて、視覚的に均整のとれた美しい仕上がりになるようにしている。細部にこそ、職人の水準と人間性が顕著に顕れると思う。消費社会にあっても、丁寧に優れた作品を創り続ければ、必ず理解者はいると信じている。

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NEWS

AGK is included in LUXOS MAGAZINE,

Milan-Rome-Venice-Florence spring/summer 2018 issue,

feature “Made in Florence”,

text by Georgette Jupe-Pradier, photo by Christine Juette.

Special thanks to

http://girlinflorence.com/

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ART CONSERVATOR

修復家の思い

数世代受け継がれ、使い込まれてぼろぼろになっても大切にされる本には、お金では決して買えない、持ち主の個人的な価値がある。古い本を処分して新しい本に買い替えれば時間と経済の節約になるが、敢えて時間とお金をかけても本が修復され大切にされる理由は、本に込められた思い出や愛着だと思う。数週間、数ヶ月、毎日修復作業をしながら本たちと一緒に時を送る。修復家の人生の一部も、本の中に凝縮される。修復する私も仕事を超えた物への愛着を感じ、修復が終わって持ち主に返す時には分身を世に送り出す心境になる。心を込めてした仕事が、それぞれの家庭で大切にされ、後世に継承され、自分の死後まで残り得ることに、大きなやりがいを感じる。

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