BESPOKE BOXES 3

箱の話3

アトリエでは、大きな厚紙と紙を箱の寸法に合わせて切る段階から完全手作業で行っている。箱制作を完全手作業で行う工房は知る限り、フィレンツェ市内で私たちだけで、オーダーメイドが年々増えている。他の工房や商店で売っている箱は、完全機械生産か、一部機械生産(裁断と折線を機械、金属型抜きした紙で外側を包む工程だけ手作業)のいずれかである。手作りと店員が言っても、鵜呑みにしてはいけない。一般の消費者が、機械生産か手作りかを知る方法は「この辺だけ数ミリ大きくできるか」と聞いてみる。金属型で大量裁断する場合、サイズ変更は不可能だからだ。出来ないと言われるか、最低数十、数百個以上と言われるか、金属型代が加わり少量注文は高価になる。本当に完全手作業ならば、数ミリ、数センチの変更など容易だ。

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BESPOKE BOXES 2

箱の話2

私が箱の重要性と基礎技術を学んだのは、フィレンツェ国立中央図書館修復部門での研修時代。当時、朝7時から12時まで図書館、午後1時から6時まで修復工房勤務を掛け持ちしていた。どこにそのエネルギーがあったのか自分でも不思議なくらい、毎日目まぐるしく動き回っていた。勤務先の工房では誰も箱の作り方を知らず、いつも他社に注文するので、ある日、自社で作る方が効率的ではないか、と言ったら、簡単に言うができるものならやってみろ、と言われた。どうせできないだろう、と言われると、どうしてもやりたくなるのが人間の常である。一度決めたら没頭する性格の私は、夢でも箱のことを考えていた。質問事項をメモし、翌朝図書館で聞き、夜自宅で実験する日が続いた。短期間に色々な箱を作れるようになった。今でも箱制作は得意分野だ。

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BESPOKE BOXES 1

箱の話1

箱は、早く簡単に作れ安くて当然と誤解されていたり、すぐに捨てる箱にお金をかけるのはばかばかしいと言われることが多いため、少し説明したい。箱は芸術作品になり得る。美しい箱を作るには熟練を要する。作り方は千差万別で、制作者により完成度に大差が出る。上質素材で丁寧に作られた箱は、想像以上に長持ちする。紙箱でも、使い方と保存環境が良ければ1世紀以上耐久する。修復依頼のある紙箱には、2世紀前のものも稀ではない。日本語で「神」と同音語の「紙」は、発明から千九百余年の歴史を持つ、高貴で神聖なマテリアルだと思う。

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RECENT WORK

家型箱のオーダーメイドの補足

クリスマスに菓子とワインを盛り沢山入れて贈り、箱は子供たちの玩具箱に、という依頼だった。外見は至ってシンプルだが、安定性、耐久性、仕上がりの美しさにこだわって、手間を惜しまず、見えない工夫を細部まで凝らした。構成パーツ112個、制作に5日を要した。

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RECENT WORK

BESPOKE BOX 50x40x30cm, composed of 112 elements. Completed object.

Materials: printed paper by the oldest typographers of Florence,

established in 1901, Tuscan calfskin, Tuscan split suede, brass accessories,

fabric, Japanese paper, acid-free paper and cardboard produced in Italy.

Blind tooling.

家型箱50x40x30cmのオーダーメイド。パーツ数:112個。完成品。

材料:フィレンツェ最古のグラフィック会社のプリント紙、

トスカーナ産仔牛革、トスカーナ産スエード、真鍮金具、製本用布、和紙、

イタリア製紙と厚紙。エンボス加工。

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POINT OF VIEW 2

ものの見方2

友人と冬至の話になった。彼は冬至になると気持ちが明るくなるそうだ。理由は、冬至を境に夏至まで日照時間が長くなるから。彼は冬至の日に、盛夏を想うのだそうだ。私は冬至と聞くと、北半球で一年のうち最も昼が短い日、ゆず湯で温まる日、という概念があり、早くに日が暮れてしまうこの日に、盛夏のことなど考えたこともなかった。しかし、ものは考えようだと思った。自分にも、酷寒の時に猛暑を、猛暑の時に酷寒を想像して、気を取り直す習性がある。冬至から半月、日は着実に長くなり、自然界の変化に、春の兆しが日々増していることに気が付く。

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POINT OF VIEW 1

ものの見方1

物事の見方には、ポジティヴ思考とネガティブ思考がある。グラス半分まで入った水を見て、半分満たされていると考えるか、半分空と考えるかの違いだ。極度に楽天主義の人と話をすると「人生そう甘くはない。非常時への備えも最低限必要」と思い、逆に極度に悲観主義の人と話をすると「一緒にいると陰気で疲れる。前向きでないと運が逃げる」と思う。自分は中庸なのかも知れない。一時的感情に流されず、冷静に行動する主義だ。少なくともそのように努めている。とは言え、両極どちらかを選ぶとすれば、やはりポジティヴ思考でありたい。

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BRIEF OBSERVATION 3

最近思うこと3

芸術家は、価値を認めてくれる人々に支えられている。職人技は、それを発揮できる機会を与えてくれる人々の存在があってこそ、輝くことができる。どんなに高い技術も、仕事に恵まれなければ役に立たない。昔のように強力なパトロンがいれば一生安泰だが、現代社会でそれは無理でも、継続的に仕事を得られなくては、活動は元より納税も生活もできず、芸術は滅びてしまう。理想的な顧客層に恵まれるかどうかという経営の最重要点で、知名度が低いミクロ企業の職人は皆、大きな壁にぶち当たる。運命の分かれ道は、運が8割以上、能力は2割に満たないと思う。だからこそ、少ないチャンスは必ず生かさないといけない。チャンスが巡ってきた時に力を発揮するには、日頃から地道に努力することと、好調な時も不調の時も感謝の気持ちを忘れないことが、大切だと思う。

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MMXVIII

Vi aguguriamo Buon 2018.

We wish you Happy 2018.

新年明けましておめでとうございます。

皆様の健康と活躍を、フィレンツェにて心よりお祈りいたします。

今年も謙虚に研鑽を続けていきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2018年元旦 ラポ・ジャンニーニ 桑田宝子

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