専門分野が異なっても意気投合する芸術家に時々出会う。後世に残る美しい作品を創る、丁寧な良い仕事をする、という基本精神で繋がっているからだろう。ファッション業界で活動するデザイナーは、有名ブランドのデザインをして経済基礎を固め、その資金で自分のコレクションを展開している人が多く、よって彼ら自身も職人であり、ミクロ企業の苦労を知っている、だから話が合う。現在仕事をしている海外のデザイナーもその一人だ。彼曰く、資本主義社会における大企業の極度の利潤追求や非人道的な労働力搾取に疑問を抱いている若い世代の中小企業経営者は多い。新しい動きとして、高い技術をもつ伝統芸術の職人と共同でヘリテイジ・コレクションの試みも増えている。今回の仕事は箱制作だが、将来的に、宝石・金・革を使用したコラボレーション構想が浮上した。実現してもしなくても、価値観を共有できる同世代の芸術家、良識あるビジネスマナーをわきまえた若い企業家に出合うと、ほっとする。
ATELIERGK FIRENZE
https://www.instagram.com/ateliergk_firenze/